子どもの頃に飲んでいた「ミロ」、久しぶりにスーパーで見かけて、懐かしさから手に取ったという方もいらっしゃるのでは。
最近では「オトナのミロ」も登場し、大人の間でもちょっとしたブームになっています。
でも、ふと気になるのが「甘さ」や「添加物」のこと。
「ミロって体に悪くないの?」「飲み続けたら太っちゃうかも…?」そんなことを感じたことはありませんか?
この記事では、ミロの原材料や栄養成分、そして太りやすさや添加物の心配について、わかりやすく解説していきます。
「飲んでも大丈夫?」が気になるあなたのために、安心して選べるヒントをお届けします。
身が体に悪いと考えられる3つの理由
ここでは、「ミロが体に悪いのでは?」と感じてしまう理由について、よくある3つのポイントに分けてご紹介します。
添加物が気になる
ミロには、カルシウムを補うための「リン酸カルシウム」や「炭酸カルシウム」、品質を安定させる「pH調整剤」、酸化を防ぐ「ビタミンE(酸化防止剤)」などが含まれています。

聞き慣れないものばかりで心配だな
これらの添加物はすべて、日本の安全基準をクリアしたものですが、「見慣れない名前だから不安」と感じる方も少なくないでしょう。
それぞれの特徴、ヒトの体への影響をまとめてみました。
リン酸カルシウム
●特徴と用途:
リン酸カルシウムは、骨や歯の主要な構成する成分であり、食品添加物や医薬品、歯科材料として広く使用されています。
●人体への影響:
・骨の健康維持に重要な役割を果たします。
・ミセル性リン酸カルシウムは、炭酸カルシウムと比較して腸管からのカルシウム吸収がすぐれていることが報告されています。
本研究ではラットに形態の異なるカルシウムを摂取させ、カルシウムの吸収速度の違いを検討した。本研究結果から、カルシウムの違いによる吸収速度の違いならびにホルモン応答を確認することができた。
※引用:J-STAGE
炭酸カルシウム
●特徴と用途:
炭酸カルシウムは、食品添加物、医薬品、建材など多岐にわたる用途があります。
●人体への影響:
適切な量での摂取は安全とされていますが、過剰摂取により体重増加の抑制やミネラルバランスへの影響が報告されています。
カルシウムを投与した際に、体重増加の抑制、摂餌量の減少、飼料効率の低下及び各種ミネラルの体内レベルへの影響が複数の知見で認められており、NOAELの判断や量的な評価は行えないものの、必要量を大きく上回る量の炭酸カルシウムは生体に対して体重、摂餌及びミネラルの恒常性等に影響を与えるものと考えられた。
※引用:厚生労働省
pH調整剤
●特徴と用途:
食品の酸度を調整し、保存性や風味を向上させるために使用されます。
●人体への影響:
通常の使用量では安全とされていますが、過剰摂取や特定の成分に対するアレルギー反応の可能性が指摘されています。
食品衛生法に基づく添加物の表示等について別紙4(各一括名の定義及びその添加物の範囲)
※引用:厚生労働省
ビタミンE(酸化防止剤)
●特徴と用途:
ビタミンEは、脂質の酸化を防ぐ抗酸化作用を持ち、食品や化粧品、医薬品に使用されています。
●人体への影響:
適切な摂取量では健康維持に寄与しますが、過剰摂取により出血傾向などの副作用が報告されています。
一日摂取量は抗酸化機能による栄養機能性食品の上限(150 mg)に縛られることないが,それぞれの機能ごとに耐容上限量以内において設定されることがより良いと考えられる。
※引用:蔵野大学薬学部SSCI研究所
糖分が多く太りやすい?
ミロには、1杯あたり約9〜10gの糖質が含まれていて、これはスティックシュガー2〜3本分くらいの量なんです。
また、牛乳に溶かすとさらにカロリーが増え、1杯あたり約150kcal前後になることも。

カロリーが増えるのは気になっちゃう⁉
毎日飲んでいると、知らず知らずに糖質を多く摂ってしまう可能性があります。
毎日飲むと過剰摂取になる可能性も
ミロは栄養補助として優秀な反面、糖分やカロリーが高いため、飲みすぎると体に負担がかかる可能性があります。

栄養補給にいいけど毎日飲ませるのは考えないと
とくに、甘い味に慣れてしまうと、他の飲み物でも甘さを求めてしまうことがあるので、注意が必要です
ミロは太りやすい?
ミロが「太りやすい」と言われるのは、糖質やカロリーの多さが関係しています。
ここでは数値や飲み方を参考に、太りにくく楽しむポイントをまとめます。
糖質の量から見る太りやすさ
ミロの糖質は、1杯あたり7.9g〜9.8g。総重量の50〜65%が糖質となっており、甘めの飲料であることは間違いありません。

おいしいから毎日飲みたいけど太っちゃうの?
また、ミロのGI値(血糖値の上昇度を示す指標)は約55と中程度。
これはコーラ(GI値53)と近く、血糖値を上げやすい飲料ともいえます。
果糖ばかりを摂取するようにした群とブドウ糖ばかりを摂取するようにした群では、3か月後において果糖ばかりを摂取するようにした群のほうが耐糖能障害が強かった。この理由として、果糖摂取群では、脂肪肝が強く、内臓脂肪も蓄積していて、インスリンによる血糖低下作用に対する。抵抗性が強くなっていたことが挙げられている。また、果糖は脳の報酬系に働くため、依存性が生じやすいものと考えられている。
※引用:北里研究所病院 糖尿病センター
飲み方やタイミングによって変わる影響
同じミロでも、飲み方しだいで太りにくくする工夫は可能です。
・朝や日中など活動量が多い時間帯に飲む
・1日1杯までにとどめる
ちょっとした意識で、体への負担を減らすことができます。
1日1杯までがちょうどいい理由
毎日飲むなら「1日1杯」が目安。
過剰摂取による糖分・カロリーの蓄積を防ぎながら、必要な栄養をしっかりとれるバランスです。
原材料から見るミロを飲むメリット
ここからは、ミロを飲むことで得られるメリットや、健康的に楽しむための工夫について紹介していきます。
鉄分・カルシウム補給に役立つ
ミロは1杯あたり、鉄分3.2〜6.8mg、カルシウム225mgが含まれています。
とくに鉄分は女性が不足しがちな栄養素。
1杯で1日の推奨摂取量の30〜60%をカバーできるのは大きな魅力です。
食物繊維で腸内環境にもアプローチ
「オトナの甘さ」は、1杯に2.4gの食物繊維が含まれており、腸内環境のサポートにも役立ちます。
便秘が気になる方にも、おすすめの飲み物です。
忙しい朝に便利な栄養サポート飲料
牛乳や豆乳でサッと溶かすだけなので、朝の時間がないときでも簡単に栄養がとれます。
栄養バランスが気になるお子さんの朝食や、大人の朝活にもぴったりです。

腸内環境を整えたり、鉄分、カルシウムも摂れるのはイイね!
ミロを飲むならここに注意しよう
健康的にミロを楽しむためには、ちょっとした注意が必要です。
飲む量や時間帯、アレンジ方法など、上手に取り入れる工夫をチェックしておきましょう。
飲みすぎを防ぐコツ
甘くておいしいからといって、何杯も飲んでしまうと糖質過多に。
子どもには1日1杯、コップ1杯分に決めておくと安心です。
アレンジで糖質カット
カロリーが気になるときは、低脂肪乳や無糖のアーモンドミルクを使うのがおすすめです。
さらに甘さが欲しいときは、少量のはちみつやオリゴ糖で自然な甘みをプラスするのも。
他の食品とのバランスも大切に
ミロに頼りすぎず、日々の食事全体でバランスを取ることが健康への近道です。
「栄養補助」としてうまく使い分けましょう。

バランスが大事なんだね!
まとめ
ミロは鉄分やカルシウムなどの栄養を手軽にとれる優れた飲み物ですが、添加物や糖質が含まれている点には注意が必要です。
とはいえ、含まれている添加物は日本の基準をクリアしたもので、適量であれば体に悪いとは言いきれません。
また、飲み方やタイミングを工夫すれば、太りにくく健康的に楽しむことも十分可能です。
お子さんにとっては甘くておいしい飲み物の「ミロ」、親御さんにとっては懐かしい味。
ご家族で楽しみながら、「わが家のちょうどいいミロ習慣」を見つけてみてくださいね。