フランス・ブルターニュ地方の海辺で、太陽と風の力だけでじっくりと作られる「ゲランドの塩」。ミネラルたっぷりで、料理の仕上げにひとふりするだけで味がグッと引き立つ高級塩として知られています。
ところが、ネットや口コミでは「ゲランドの塩って汚いって本当?」という声もちらほら…。自然のまま作られるがゆえに、微細な海藻や土が混ざることもあるのですが、だからといって本当に危険なのでしょうか?
この記事では、ゲランドの塩が「汚い」と言われる理由と、安心して使えるポイントをわかりやすく解説します。普段の料理に使う前に知っておきたい、ちょっと気になる真実をチェックしてみましょう。
ゲランドの塩が汚いか徹底調査

ゲランドの塩って自然な製法なんだよね。汚くないの?

安全性には問題がないよ!
ゲランドの塩は、灰色がかった見た目や時折混入する天然不純物(砂粒、粘土、海藻、微生物など)が理由で「汚い」と言われることがありますが、実際には安全性に問題があるわけではありません。
見た目の「汚れ」とは?
ゲランドの塩は、精製や洗浄を一切行わず、自然のままに天日で作られる海塩です。そのため、製造工程の中で塩田の粘土質や海藻、微細な砂や微生物など、自然由来の成分がわずかに混じることがあります。
特に特徴的なのは、灰色がかった色合いです。これは「汚れ」ではなく、塩田の粘土質や海藻などの微細な成分、そして豊富なミネラル結晶が含まれていることによるものです。
この灰色がかった見た目は、むしろ自然な製法の証であり、精製塩にはない豊かなミネラルバランスを持つことを示しています。結果として、塩の味わいに深みと複雑さを与えているのです。
つまり、見た目の「色ムラ」や「灰色の混ざり」は品質の欠点ではなく、ゲランドの塩ならではの特徴であり、その価値を引き立てる要素なのです。
安全性と品質
ゲランドの塩は、塩田と呼ばれる浅い池に海水を引き入れ、太陽と風の力で水分を蒸発させて結晶化させる「自然蒸発法」で作られます。
塩田は14世紀から建設されており、現在も中世から変わらずに何世代にもわたって耕されています。
塩田は27キロにおよぶ石垣の防波堤にしっかりと保護されており、伝統的な製法が守られています。
基本的に人体に害のある不純物は含まれておらず、EUのオーガニック認証など複数の基準をクリアしています。
また、ゲランドの塩は「ナチュール・エ・プログレ」というオーガニック基準に登録されており、製造過程で土壌に関する検査を受けるなど、品質管理が徹底されています。
粒状の余裕(砂、小石、羽など)が気になる場合は選択別・削除して使用できます。
添加物や工業薬品は一切使用されていません。
ゲランドの塩のミネラル含有量
ゲランドの塩が多くの料理愛好家や健康志向の人に選ばれる理由の一つが、豊富なミネラルです。
精製塩とは異なり、自然の海水をそのまま蒸発させて作られるため、ナトリウム以外にもカルシウム、マグネシウム、カリウムなど、体に必要なミネラルがバランスよく含まれています。
代表的なミネラル成分(目安)
ゲランドの塩は、精製塩よりも濃度の純度がやや低く、その分マグネシウム・カルシウム・鉄分など海水由来のミネラルを含んでいます。
【主なミネラル含有量(100gあたり)】
ミネラル ゲランドの塩(粗塩) ゲランドの塩
(細粒)フルール・ド・セル
(フラワーソルト)マグネシウム(Mg) 420mg 435mg 480mg カルシウム(Ca) 152mg 160mg 140mg 鉄(Fe) 17.5mg 17.5mg 2mg 塩化ナトリウム 約88,300mg (88.3%) 96,600mg(96.6%) 91,700mg(91.7%) 引用元:ゲランドの塩
・ナトリウム(Na):塩味の主体。血液や体液のバランスを整える
・カルシウム(Ca):骨や歯の形成に必要
・マグネシウム(Mg):筋肉や神経の働きを助ける
・鉄(Fe)や亜鉛(Zn):微量ですが体の代謝や免疫機能に役立つ
【(参考)精製塩とゲランドの塩の含有ミネラル比較(100gあたり)】
ミネラル | 精製塩 | ゲランドの塩(参考値) |
塩化ナトリウム | 99.5g以上 | 88.3~96.6g |
マグネシウム | 1mg未満 | 420~480mg |
カルシウム | 27mg以下 | 152~160mg |
カリウム | 35mg以下 | 約80mg |
鉄 | 表示なし | 2~17.5mg |
精製塩と比べると、ゲランドの塩はこうしたミネラルをほぼそのまま残しているため、まろやかで深みのある味わいを生み出します。
特にフルール・ド・セルは、結晶が細かく口の中で溶けやすいため、料理の仕上げに使うとミネラルの風味をダイレクトに感じられます。
ミネラルを多く含むゲランドの塩は、ただ塩味を付けるだけでなく、食材本来の旨味を引き立て、料理全体の味にコクを与えます。また、自然由来の成分が含まれていることで、舌触りや香りにも豊かさが生まれます。

ゲランドの塩は「単なる塩ではなく、ミネラル豊富な天然調味料」なんだね!
特徴・ポイント
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一般的な精製塩のホルムアルデヒドの含有量は99%以上ですが、ゲランド塩は約88-96%程度でミネラル分が多く残っています。
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マグネシウム・カルシウムは豊富で、鉄分・カリウム等も天然由来として微量含まれます。
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ミネラルのやバランス配合は収穫年や商品(粗塩/細粒/フルール・ド・セル)ごとに多少異なります。

「ゲランドの塩」は海水の自然ミネラルが豊富に残ることが最大の特徴だよ!
ゲランドの塩の安全性について徹底的に調べ上げてみた

ゲランドの塩って本当に安全なの?

自然の力で作られるゲランドの塩。
その安全性について詳しくみてみよう!
無添加・無精製で安心
ゲランドの塩は、海水を太陽と風の力だけで結晶化させる「天日塩」であり、精製や洗浄を行っていません。
これにより、化学的な添加物や漂白剤、防湿剤、固結防止剤などの人工的な成分が含まれていません。
マイクロプラスチック不検出
2018年に韓国で行われた世界の39の塩ブランドを対象とした分析では、ゲランドの塩を含むフランスの天日塩がマイクロプラスチック粒子を含まないことが確認されました。
これは、ゲランドの塩が海水から自然に結晶化されたものであり、人工的な加工がないためと考えられます。
参考URL:GREENPEACE NAC

日本の塩はマイクロプラスチックを除去するためにフィルター膜とか使ってるって聞いたことあるけど、フランスの海は人工的に除去する必要がないくらい海が綺麗ってこと?

確かに、世の中プラスチックゴミで溢れてるのに除去工程を経ないでマイクロプラスチックがないってほんとなの?

「マイクロプラスチックが全く含まれていない」と断言はできないんだよね。
厳格な品質管理と認証
ゲランドの塩は、フランス有機農業推進団体「ナチュール・エ・プログレ(フランスのオーガニック認証)」による認証を受けており、周囲の環境保護や添加物の禁止など、数々の厳しい基準をクリアしています。
さらに、PGI(ヨーロッパ地理的表示保護)、IFS Food(国際食品安全認証)など、複数の認証団体によって品質と安全性が保証されています。
また、ゲランドの塩生産者組合は、IFS Food 6.1の企業認証を取得しており、品質と安全性に対する取り組みが評価されています。
ゲランド塩田はEU内の環境自然保護区・ラムサール条約登録地・Natura2000など様々な国際自然保護ネットワークに指定されており、相当な工業汚染や薬品類の持ち込みは明確に禁止されています。
生産者組合による管理体制が確立され、トレーサビリティ(誰が、どこで、いつ生産できる)が完全に追跡できるシステムとなっています。
放射性物質の自主検査
ゲランドの塩を取り扱う一部の企業では、放射性物質の自主検査を実施しています。
これにより、福島原発事故以降の放射能汚染の影響を受けていないことが確認されています。
参考URL:HAIRYU

ゲランドの塩は、厳格な品質管理と認証を受けているよ。
安全性が高いとされているんだね。
ゲランドの塩にマイクロプラスチックは含まれてる?

マイクロプラスチックは多くの塩に混入しているんだよね。まだ心配・・・。

直径5mm以下のプラスチックが海塩に入っているっていうよね。
現時点での研究・報道でわかっていること
【海塩全体でマイクロプラスチックが検出された例】
英国や中国、スペインなどの製品を対象にした研究で、海塩のサンプルからマイクロプラスチックが「ほぼ全て」の種類に含まれていたという報告があります。
たとえば、2017年の記事では「世界の海塩にプラスチック微粒子が含まれる」という調査結果も紹介されています。
【Fleur de Sel(フルール・ド・セル)での微小プラスチック調査】
フルール・ド・セルを含むサンプルで、9種類のプラスチックについて分析した結果、138~1,796 µg/kg のプラスチック残留物が検出されたという報告があります。
従来の一般的な海塩(15〜59 µg/kg)と比べるとかなり高めです。
フランス産のフルール・ド・セルでもマイクロプラスチックの存在が確認されたというデータがこの報告に含まれています。
ゲランドの塩(Guérande Salt)特有のデータ
「ゲランドの塩」単体を対象とした、公的な研究報告で「マイクロプラスチックの含有が確認された」というデータは、見つかりませんでした。
少なくとも公開されている科学論文・環境団体の調査報告では、ゲランドの塩を特定して検出されたサンプルは確認されていないようです。
ただし、2018年に韓国で行われた世界の塩ブランド39品目の調査では、フランスの天日干しの未精製海塩であるゲランドの塩は、マイクロプラスチックが一切検出されなかった数少ない塩の一つでした。
マイクロプラスチックとは直径5mm以下のプラスチックのことで、海洋汚染等の影響で多くの塩に混入が問題視されていますが、ゲランドの塩は自然保護区の塩田で伝統的な製法で生産されているため、環境的にも非常にきれいな海水が使われています。
参考URL:GREENPEACE
現時点で言えること
現時点で言えることは、ゲランドの塩に「確かにマイクロプラスチックが含まれている」と科学的に証明された公的データは少ないということです。
しかし、海塩やフルール・ド・セル全体でマイクロプラスチックが検出された例は多数報告されており、世界的に環境汚染が進んでいることから、ゲランドの塩にも微量のマイクロプラスチックが「含まれている可能性」は十分にあります。
ただし、その含有量が健康上問題となるレベルかどうかは、含まれる種類・量・検査方法・個人の摂取量などによって大きく異なるため、慎重に判断する必要があります。
もし不安を感じる場合は、国内で製造されている海塩の中には、ろ過や精製の段階で微細な不純物を取り除く工程を取り入れているものもあります。
そうした「フィルター処理された日本の海塩」を選ぶことで、より安心して利用できるでしょう。