オーガニック粉ミルクとは、有機栽培された乳原料を使用した粉ミルクです。化学物質に頼らず、自然に近い環境で飼育・栽培された原料を使用しているので、素材の質を大切にしたい方に選ばれています。
しかし、現在、国内メーカーが作る粉ミルクには、オーガニック認定を受けた商品や、完全に無添加と言い切れる商品はほとんどありません。原材料の産地や製造工程において、独自のこだわりを持つ方にとっては気になる点があるかもしれません。
なぜ日本の大手メーカーには「無添加・オーガニック粉ミルク」がないの?
厚生労働省が定める「厳しい栄養基準」の壁
日本で「乳児用調製粉乳」として販売するためには、厚生労働省が定める非常に厳しい栄養基準をクリアしなければなりません。赤ちゃんの成長に必須とされる銅や亜鉛などの微量元素は、オーガニックの原材料だけでは基準値に届かないことが多く、不足分を化学合成された栄養素で補う(添加する)必要があるのです。これが、日本に「完全無添加」の粉ミルクが存在しない大きな理由の一つです。
日本製品に含まれる成分の役割と理由
日本の粉ミルクは、世界的に見ても非常に高品質で「母乳に限りなく近い栄養バランス」を精密に再現しています。添加されているビタミンやミネラルは、すべて赤ちゃんの健康な発育のために計算されたものです。「添加物=悪」と決めつけるのではなく、日本の製品は「科学的な安全性」、海外のオーガニック製品は「素材の自然さ」を重視しているという、考え方の違いとして捉えると納得しやすいですよ。
そのため、赤ちゃんに、より原材料の質にこだわった粉ミルクを飲んでもらうには、海外のオーガニック認定された粉ミルクを選択肢に入れることになります。
海外製品の購入となると、ハードルがかなり上がってしまい、使用を諦めてしまう方もいるかもしれません。
でも安心してください!
今回は、記事の後半で、国内からでもオンラインで購入できる商品をご紹介していますので、そちらから探してみて下さい。
安全な粉ミルク選び方のポイント
遺伝子組み換え不使用
日本の粉ミルクは、原材料の元となる大豆、ナタネ、トウモロコシに遺伝子組み換え作物が関わっているケースもあります。オーガニック粉ミルクは、遺伝子組み換え作物が使用されないため、産地にこだわりたい方にとって安心材料となります。
最小限の成分で構成されている
海外のオーガニック粉ミルクは、独自の厳しい基準により、必要最低限の成分で構成されているのが特徴です。詳細が不明なものや、疑わしい工程を経た原料を極力排除しようとする姿勢が、多くのパパママに支持されています。
BPAフリーの包装
粉ミルクは缶に入っていることが多いのですが、BPA(ビスフェノールA)フリーの素材が使用されていると、より安心ですよね。オーガニックを扱う会社は、食品そのものの安全性だけではなく、容器の素材にまで配慮していることが多いのが嬉しいポイントです。
精製油(パーム油、精製魚油等)
オーガニックの製品は、トランス脂肪酸の発生を抑える製法で作られていることが多いです。一方で、コストを優先して作られた油脂類は、トランス脂肪酸を含んでいることがあります。トランス脂肪酸は、赤ちゃんの健やかな発育を願うパパやママの間で、デリケートな時期にはできるだけ摂取を控えたいと注目されている成分です。素材本来の力を大切にしたい方は、こうした油脂の種類もチェックしてみましょう。
参考は農林水産省
世界最高峰の安心を。知っておきたい「オーガニック認証」の種類
最も厳しい基準「デメター認証(Demeter)」とは?
オーガニック先進国のドイツで始まった「デメター(Demeter)認証」は、世界で最も厳しいとされる有機農法「バイオダイナミック農法」の基準です。単に農薬を使わないだけでなく、土壌のエネルギーや宇宙のサイクルまで考慮し、さらには「牛の角を切らない(除角しない)」といった動物の尊厳まで守っています。このマークがついた製品は、まさに「食の安全の最高峰」と言えます。
EU、USDA、ACO…ラベルから読み取る安全性
海外製品を選ぶ際は、各国の認証マークをチェックしましょう。
- EU有機認証(緑の葉のマーク)は欧州連合の厳しいオーガニック基準をクリアした証です。
- USDA(米)はアメリカ農務省による認定で、成分の95%以上が有機原料である必要があります。
- ACO(豪)はオーストラリアの厳しい基準で、多くのバブズ製品がこれを取得しています。
これらのロゴマークを一つの「信頼の指標」にしてみてください。
おすすめのオーガニック粉ミルク
海外のオーガニック粉ミルクは、0〜6ヶ月、6〜12ヶ月、12〜36ヶ月のように月齢で区切られています。今回は全て、生後0〜6ヶ月の赤ちゃん向けのものになっていますが、リンク先では別の月齢の商品も販売されているので、ご自分で探して下さい。
【Bubs Organic】バブズ オーガニック グラスフェッド (Organic Grass Fed)

商品の特徴
- オーガニック認定(NASAA、ACO)
- 遺伝子組み換えでない / 完全有機栽培
- 殺虫剤、除草剤、化学肥料、ホルモン剤不使用
- ニュージーランドのグラスフェッド乳牛のミルクを使用
- DHA・アラキドン酸配合 / BPAフリー缶
- グラスフェッドミルクのメリット
・母乳中の脂肪成分が多く、健やかな成長をサポートする作用がある
・抗酸化物質(ビタミンEなど)の含有
・オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸のバランスが良い
【Bubs Organic】バブズ シュプリーム A2 ミルク (Bubs Supreme)

商品の特徴
- 牛のA2ミルクを使用(母乳に近いタンパク質構造)
- 遺伝子組み換えでない / DHA・アラキドン酸・プロバイオティクス配合
- 通常の粉ミルクで起きやすいお腹の不快感が起こりにくい
- BPAフリー缶
【Bubs Organic】バブス ゴートミルク A2ミルク

商品の特徴
- ヤギのA2ミルク(母乳に近い成分構成)
- 遺伝子組み換えでない / 無農薬・化学肥料不使用
- DHA・アラキドン酸・プロバイオティクス配合
- BPAフリー缶
【BELLAMY’SORGANIC】ベラミーズ オーガニック

商品の特徴
- オーガニック認定商品しか取り扱わないオーストラリアの会社
- 遺伝子組み換えでない / ACO、NASAA、USDA認定
- 殺虫剤、成長ホルモン、抗生物質、化学物質などは不使用
- DHA・アラキドン酸配合 / BPAフリー缶
【Holle】 ホレ 山ヤギ粉オーガニック

商品の特徴
- 山羊の生乳をメインに使ったオーガニックヤギミルク
- デメター農法で管理、製造 / 殺虫剤、化学肥料不使用
- 藻類油由来の DHAを含有 / パーム油不使用
- 母乳に近い味、消化に良い良質なたんぱく質含有
【Holle】オーガニック グラスフェッド A2 ミルク

商品の特徴
- バイオダイナミック農法で育てた、A2のβカゼイン遺伝子のみを持つ牛のミルクを使用
- 厳選されたホエイプロテインとカゼインを混合
- お腹に優しく、吸収しやすい設計
【HiPP】オーガニック粉ミルク(organic combiotic)

商品の特徴
- 遺伝子組み換え不使用 / EU有機認証取得
- 母乳由来の乳酸菌HMP含有し、より母乳に近い設計
- 放牧で育てられているオーガニック酪農場の牛乳を使用
海外オーガニック粉ミルクを使う前に知っておきたい「調乳のコツ」
お湯の温度に注意!生きた菌を守るための40〜50度
日本の粉ミルクは殺菌のために70度以上のお湯で溶かすのが基本ですが、プロバイオティクス(乳酸菌)入りの海外製品は注意が必要です。熱すぎるお湯だと、せっかくの生きた菌が死んでしまうため、40〜50度前後のぬるま湯を推奨している場合があります。商品ごとのパッケージにある「推奨温度」を必ず確認しましょう。
「溶けにくい」は当たり前?上手にかき混ぜるポイント
無添加に近い海外ミルクは、溶けやすくするための加工(造粒化)が最小限だったり、乳化剤が少なかったりするため、日本の製品に比べるとダマになりやすい傾向があります。哺乳瓶を左右に円を描くように優しく、かつしっかりと振って混ぜるのがコツです。
開封後の保存期限は?日本の製品との違い
日本の缶入りミルクは開封後1ヶ月が目安ですが、海外製品も基本的には同様です。ただし、湿度の高い日本では劣化が早まる可能性があるため、3週間〜1ヶ月以内には使い切るようにしましょう。袋タイプの場合は、密閉容器に入れ替えるか、ジップをしっかり閉めて冷暗所で保管してください。
失敗しない!海外オーガニック粉ミルクを安全に購入するコツ
配送中の劣化や偽物を防ぐ「ショップ選び」のポイント
海外直送品を購入する際は、信頼できるショップ選びがすべてです。楽天やAmazonの並行輸入品であれば、レビュー数が多く、梱包が丁寧であると評価されている店舗を選びましょう。あまりに安すぎるショップや、発送元が不明瞭なサイトは避けるのが賢明です。
海外直送品の「消費期限」と「梱包状態」の確認方法
届いた後はすぐに「消費期限」をチェックしてください。また、海外からの長旅で缶が凹んでいることも珍しくありません。パパの経験上、中身が漏れていなければ問題ないことがほとんどですが、密封シールが剥がれていたり、異臭がしたりする場合は、すぐにショップへ連絡して交換対応を依頼しましょう。
海外製はハードルが高い…と感じる方へ。国内で選べる「安心な選択肢」
「海外からの輸入はやっぱり不安…」という方には、国内の生協サービスを利用するのも一つの手です。例えばパルシステムの「yumyumシリーズ」などは、原材料の産地が明確で、遺伝子組み換え飼料を与えない牛のミルクを使用するなど、日本の大手メーカー品に比べてより素材の安心感に配慮されています。海外製に踏み切る前の「現実的な選択肢」として検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、国産粉ミルクにはない、海外製のオーガニック粉ミルクを紹介しました。牛のミルク、A2ミルク、ヤギのミルクなど種類も豊富ですので、赤ちゃんの体調や、飲みつきに合わせて最適なものを見つけてあげてくださいね。月齢に合わせてステップを切り替えることも忘れずに!素材にこだわり抜くことで、パパもママも安心して授乳タイムを楽しめますように。