せっかく安く買った食材でも、きちんと食べきらなければ節約になりませんよね。野菜を冷蔵庫の中で腐らせてしまうと、本当にがっかりしてしまいます。
そこで今回は、野菜の保存方法の基本、種類別の保存期間や保存のポイント、長期保存の仕方について解説します。適切な保存で、野菜は確実に長く持ちます。また、保存方法を知っていれば、安い時にまとめ買いすることもできますね。
物価高騰の今、本記事が皆さんの節約生活に、少しでもお役に立てばうれしいです。
野菜の保存の基本
野菜の保存の基本をまとめると、以下のようになります。
- 野菜が育つ状態に近い環境で保存
暖かい地域の野菜を冷蔵庫に入れると、低温障害を起こすことがある - 野菜が育つ向きで保存
縦に成長する野菜は、立てて保存 - キッチンペーパーや新聞紙に包む
乾燥すると鮮度が落ちる - 水滴はふき取る
水分がついていると早く傷む - カットしてあるものより、丸ごとが日持ちする
切り口から劣化するので、キャベツや白菜は外葉からはがして使う
以下、野菜の分類とそれぞれの保存方法を解説していきます。
野菜の分類と保存方法
野菜は大きく3種類に分類され、それぞれ保存方法が異なります。
- 根菜類
- 葉菜類
- 果菜類
分類ごとに、保存の基本を解説します。季節や野菜の種類によっては、基本とは違う保存方法が推奨されることもあります。
根菜類
「根菜類」は、土に埋まっている部分を食べる野菜です。
- 丸ごとは常温保存、カットしてあるものは冷蔵保存
- 土がついたまま保存すると長持ちする
- 新聞紙などに包む
- 縦に成長する野菜は、根を下に向け立てて保存
- 葉は切り落とす
大根・人参・ジャガイモ・サトイモ・カブ・ゴボウ・レンコン・山芋など
葉菜類
「葉菜類」は、葉の部分を食べる野菜です。
- ビニール袋やラップで覆って、野菜室や冷蔵室で保存
- 水揚げ(根本部分を30分程度水につける。水気をふいてキッチンペーパーで包んでポリ袋にいれる)すると更に日持ちする
- 白菜丸ごとは、冬のみ常温保存可
ほうれん草・小松菜・キャベツ・白菜など
果菜類
「果菜類」は、果実を食べる野菜です。
- ビニール袋に入れて野菜室で保存
- 水気をふき取り、1個ずつキッチンペーパーに包む
- 丸ごとのかぼちゃは、新聞紙に包んで風通しのよい場所で保存
トマト・なす・きゅうり・ピーマン・かぼちゃ・豆類(さやいんげん・さやえんどう・グリーンピース・枝豆)など
日持ちする野菜
日持ちする野菜と、保存方法を解説します。根菜類は、泥付きのまま保存すると長期保存できます。
- ジャガイモ
- かぼちゃ
- 玉ねぎ
- サツマイモ
- 大根
- 白菜
- ごぼう
- サトイモ
- にんじん
- ピーマン
- キャベツ
保存期間は、買ってきたときの鮮度により変わりますので、注意してくださいね。
ジャガイモ
【ジャガイモの保存のポイント】
- 新聞紙に包み常温(冷暗所)、または野菜室で保存
- リンゴと一緒に袋に入れて保存すると、りんごから出るエチレンガスにより発芽を抑制することができる
- 夏場は芽が出やすいので、野菜室がおすすめ
- 冷蔵は、小分けしてキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れる
- 常温で約4か月
- 冷蔵で約3か月~最大6カ月
かぼちゃ
【かぼちゃの保存のポイント】
- 丸ごとは、新聞に包み常温(冷暗所)で保存(夏場は野菜室)
- カットしたかぼちゃはワタを取り除き、ラップに包んで野菜室で保存
- 常温で2~3か月
- 冷蔵/カットしてあるかぼちゃは4日~1週間
玉ねぎ
【玉ねぎの保存のポイント】
- 冬場は、ネットでつるすなどして常温(冷暗所)で保存
- 冬以外は野菜室で保存
- 段ボールで保存する場合は、新聞紙を上下に置く
- 新玉ねぎは傷みやすいので、野菜室で保存
- リンゴと一緒に保存しない(エチレンガスにより風味が落ちる)
- 常温で約2カ月
- 冷蔵/使いかけは3~4日、新玉ねぎは約1週間
サツマイモ
【サツマイモの保存のポイント】
- 夏場以外は新聞紙に包み、常温(冷暗所)で保存
- 20℃を超えると発芽しやすいので、夏場は野菜室で保存
- 泥付きのものは、洗わずに保存
- 常温/泥付きで1カ月
- 冷蔵で約1週間
大根
【大根の保存のポイント】
- 丸ごとは、新聞紙に包み常温(冷暗所)で保存
- 夏場は冷蔵保存
- カットしてある大根は、キッチンペーパーや新聞で包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存
- 葉の部分を切り落として、根を下にして立てて保存
常温で約1カ月
冷蔵/カットしてあるものは、1週間~2週間
白菜
【白菜の保存のポイント】
- 丸ごとは、新聞紙で全体を包んで常温(冷暗所)で保存(冬以外は冷蔵保存)
- 芯を下にして、立てて保存
- カットされているものは、バラバラにならないようにして芯を切り落とし、ラップやポリ袋で包んで冷蔵保存
- 常温で3~4週間
- カットされたものは、冷蔵で1週間
ごぼう
【ごぼうの保存のポイント】
- 泥付きは、新聞紙に包んで冷蔵か常温(冷暗所)で保存
- 洗いごぼうはラップでくるみ、野菜室に立てて保存
- きんぴらなど調理してから冷凍するのもおすすめ
- 常温で約1カ月(夏場は1~2週間)
- 冷蔵で約2カ月(洗いごぼうは約1週間)
サトイモ
【サトイモの保存のポイント】
- 新聞紙に包んで常温(冷暗所)で保存
- 泥が湿っているときは、乾燥させてから新聞紙に包む
- 低温に弱いので、キッチンペーパーに包みポリ袋に入れて野菜室で保存
- 皮つきものまま冷凍可
- 常温で約1カ月
- 冷蔵で約2週間
にんじん
【にんじんの保存のポイント】
- 1本ずつ新聞紙に包み、立てて冷蔵保存
- 夏場以外は常温(冷暗所)でも保存可能
- 葉付き人参は、葉を切り落とす
- カットしたニンジンは、ラップで包み、野菜室で保存
- 常温で約1週間(夏場以外)
- 冷蔵で約2~3週間
ピーマン
【ピーマンの保存のポイント】
- 新聞紙に包み、冷暗所で保存
- 1個ずつキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室
- 常温で1週間
- 冷蔵で3週間
キャベツ
【キャベツの保存のポイント】
- 芯をくりぬき、湿らせたキッチンペーパーを詰め、ポリ袋に入れて冷蔵
- カットしてあるものは、切り口をキッチンペーパーで覆い、ポリ袋に入れて冷蔵
- 丸ごとは2~3週間
- カットしてあるものは1週間~10日
日持ちしない野菜
水分の多い葉物野菜や果菜類は傷みやすいので、早めに食べましょう。多く買いすぎたときは、冷凍保存すると長期間保存することができます。
- もやし
- きゅうり
- なす
- トマト
- レタス
- オクラ
- ほうれん草
- アスパラガス
保存期間内でも、鮮度により傷んでしまうことがありますので注意しましょう。
もやし
【もやしの保存のポイント】
- 袋から出し保存容器に入れ、もやしがひたるくらいの水を入れて冷蔵室で保存(毎日水を替える)
- 購入した袋のまま冷凍保存
冷蔵で1週間程度
きゅうり
【きゅうりの保存のポイント】
- ラップまたはポリ袋に入れ、野菜室で保存
- 水分がついている場合はふき取る
- ヘタを上にして、立てて保存
- 丸ごとか、薄くスライスし塩もみして水分を抜いてから冷凍
冷蔵で4日~1週間
なす
【なすの保存のポイント】
- 水気をふきとり、野菜室で保存
- 1個ずつラップで包み、ポリ袋に入れる
- 使いやすい大きさにカットして、保存袋に入れて冷凍
冷蔵で4日~1週間
トマト
【トマトの保存のポイント】
- 室温が14℃以下なら常温保存可能
- 1個ずつキッチンペーパーに包み、ヘタを下にして、風通しのよい冷暗所で保存
- 夏場は野菜室で保存
- 丸ごと冷凍保存可能
冷蔵で7日~10日
レタス
【レタスの保存のポイント】
- 芯をくりぬいて、濡らしたキッチンペーパーを詰め、ポリ袋に入れて冷蔵室で保存
- カットしたレタスは切り口からの傷みが早いので、なるべく早く食べる
冷蔵で3日~1週間程度
オクラ
【オクラの保存のポイント】
- まとめてキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存
- 常温保存はNG
冷蔵で約1週間
ほうれん草
【ほうれん草の保存のポイント】
- 常温保存はNG
- 湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて、立てて冷蔵室で保存
- 泥を落とし、洗って水気をふき取り、カットして保存袋に小分けして入れて冷凍
- 茹でて水をしぼり、小分けして冷凍
冷蔵で3日~1週間
アスパラガス
【アスパラガスの保存のポイント】
- 常温保存はNG
- 根元を2~3㎜切り落とし、濡らしたキッチンペーパーで包みポリ袋に入れ、穂先を上にして立てて冷蔵室で保存
- 洗って水気をふき取り、カットしたあとラップに包み、保存袋に入れて冷凍
冷蔵で4~5日
長期保存の方法
常温、冷蔵以外の保存方法について解説します。
- 冷凍保存
- 干し野菜
時間があるときに作業しておくと、忙しいときに重宝します。
冷凍保存
野菜の長期保存には、冷凍がおすすめです。まとめ買いした時は、早めに冷凍しておきましょう。
- 野菜を洗い、料理しやすい大きさにカットする
- 水気を拭きとる
- 冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて平らにする
(金属トレーにのせると早く冷凍できる)
【下茹でして冷凍する方法】
水気をしぼり、冷ましてから小分けして冷凍室へ
【じゃがいもやサツマイモ】
使いやすい大きさにカットし、水にさらした後、水気を拭き冷凍
保存期間の目安/約1カ月
生で食べたい野菜(トマト・レタス・きゅうり・大根など)は、冷凍すると食感が変わってしまいます。冷凍したものは、スープや味噌汁など加熱調理に利用するとよいでしょう。
干し野菜
干し野菜は、昔から行われてきた野菜を長期保存する方法です。干し野菜には、以下のようなメリットがあります。
- 水分が抜けるので、旨味が凝縮
- 長期保存が可能
- 栄養価が高まる
- 調理時間の短縮
- かさが減るので、たくさん食べられる
- 野菜を洗い、好きな形にカットする
- 水気を切る
- ザルなどに重ならないように並べる
- 干す(ベランダ、庭、室内の風通しの良い窓辺などにつるしたり、置いておくだけ)
【干し時間の目安】
・セミドライ/3時間~半日
・ドライ/1日~2日(夕方・夜間は室内に取り込みましょう)
【干し野菜に向いている野菜】
にんじん、大根、レンコン、キノコ類、かぼちゃ、なす、パプリカ、オクラなど水分が少ない野菜が作りやすい
【保存期間の目安】
セミドライ/冷蔵庫で4~5日
ドライ/密閉容器に入れて冷凍庫で1カ月
干し野菜は、さっと洗って味噌汁やスープ、煮物などに入れるのがおすすめです。パスタに入れてもおいしいです。旨味が凝縮しているので、お料理がよい味になります。
網タイプの干しかごやステンレス製のバスケットなど、いろいろな干し野菜用グッズが販売されています。筆者は、吊り下げられるステンレス製バスケットを愛用しています。清潔に使えておすすめですよ。
ぬか漬けにする
ぬか漬けは、古くから日本人に親しまれてきた伝統的な漬物です。野菜をぬか床に漬け込むことで、長期保存が可能になるだけでなく、栄養価もアップし、独特の風味も楽しめます。
冷凍や乾燥に比べると保存日数は当然短いけど野菜室で腐らせるよりは、断然マシな保存法だよ
何でぬか漬けが長期保存に有効なの?
乳酸菌の働きが腐敗を防ぐから
ぬか床には乳酸菌が豊富に存在します。乳酸菌は野菜を発酵させ、酸性の環境を作り出します。この酸性の環境は、他の雑菌の繁殖を抑え、野菜を腐りにくくする効果があるんです
塩分による浸透圧で野菜の水分を抜き取るから
ぬか床には塩分が含まれており、この塩分が野菜から水分を引き出し、浸透圧を高めます。これにより、野菜の細胞内の水分が失われ、外部からの菌の侵入を防ぎます。
空気に触れないから
野菜をぬか床に完全に埋めることで、空気に触れる部分を最小限に抑えます。空気に触れることで酸化が進み、腐敗の原因となるため、この点は非常に重要です。
空気に触れないってことはめちゃくちゃ大事だよ!
まとめ
野菜の保存方法について、解説しました。
適切に保存することで、野菜を無駄なく、おいしく食べきりましょう。
使いきれない野菜は、冷凍や干し野菜にして保存するのがおすすめです。昔ながらの干し野菜は、かさを小さくして長期保存するのによい方法です。電気も使わず、とても簡単にできますので、ぜひ一度挑戦してみてくださいね。