サラダ油は安価で手に入りやすいため、どこの家庭にも必ずと言っていいほどある食用油の一つですよね。しかし、家での食事回数が増え、健康管理の重要性が増している2026年現在、その「中身」を正しく理解して選んでいる人は意外と少ないのが現状です。
最近では「サラダ油は危険」という言葉もよく耳にしますが、何が、どのように危険なのか。そして、2023年に改正された最新の表示ルールがどう私たちの食卓に関わっているのか。
ここでは、科学的根拠に基づいたサラダ油の正体と、プロが教える「避けるべき理由」を詳しく解説していきます。
この記事がおすすめな人
- サラダ油の裏側に隠された「表示の罠」を知りたい人
- 2023年の新制度以降、何が変わったのか把握したい人
- 家族の健康を守るために、油の買い替えを検討している人
1. サラダ油の正体:JAS規格が定める定義
サラダ油とは、実は特定の植物名ではなく、日本農林規格(JAS)が定めた「精製度が高い植物油」の総称です。
「サラダ」の名前の由来
昔の油は精製度が低く、低温で固まったり濁ったりするのが普通でした。そこで、冷やしても固まらず、サラダドレッシングとして生で食べても美味しい「精製度の高い油」として開発されたのが「サラダ油」です。
サラダ油の原料(2026年現在の主なラインナップ)
JAS規格では、以下の9種類のいずれか、または複数を混ぜたものがサラダ油と名乗れます。近年の物価高の影響で、安価な大豆や菜種をブレンドした「調合油」が主流になっています。
- 菜種(なたね)
- 綿実(めんじつ)
- 大豆(だいず)
- ごま
- べに花(サフラワー)
- とうもろこし(コーン)
- 米(こめ)
- ぶどう(グレープシード)
- ひまわり
主成分は「不飽和脂肪酸」
サラダ油は植物性のため、常温で液体の「不飽和脂肪酸」が主成分です。中性脂肪やコレステロールを調整する働きがある一方で、実は「精製プロセス」に大きなリスクが隠されています。
2. サラダ油が「危険」とされる4つの科学的根拠

① 最新ルールが隠す「遺伝子組み換え」の罠
2023年4月に「新・遺伝子組み換え表示制度」が完全施行されました。しかし、ここに大きな落とし穴があります。
| 表示ラベル | 2026年現在の真の意味 |
|---|---|
| 遺伝子組み換えでない | 混入率0%(不検出)のものにしか使えない。 |
| 分別生産流通管理済み | 意図せぬ混入が5%以下。※「組み換え」が含まれる可能性あり。 |
| 表示なし | 実はこれが一番多い。油はDNAが分解されるため、表示義務がない。 |
サラダ油の主原料(大豆・菜種・トウモロコシ等)のほとんどは輸入頼みです。油の精製過程で遺伝子の痕跡が消えてしまうため、「組み換え原料を使っていても、表示しなくて良い」という免除規定があります。アレルギーリスクや未知の健康影響を避けたい場合、表示がないサラダ油は選ばないのが賢明です。
② 製造過程で使われる薬品「ノルマルヘキサン」
安価なサラダ油は、原料から一滴残らず油を絞り出すために、石油系溶剤の「ノルマルヘキサン」に浸して油を抽出します(抽出法)。
ヘキサンは強い毒性を持つ物質です。「最終製品には残らないように処理している」というのがメーカーの見解ですが、薬品を飛ばすために200度以上の高温処理(脱臭工程)を行う際、油の酸化が急激に進んでしまうのが最大の問題です。
③ トランス脂肪酸の発生と「神経毒」のリスク
高温処理の際、不飽和脂肪酸の一部が変質し、トランス脂肪酸が発生します。これは肥満や心疾患のリスクを高めることで知られていますが、さらに深刻なのが「ヒドロキシノネナール」という毒性物質です。
近年の研究では、この物質が細胞を傷つけ、認知症やうつ病、アレルギーなどの現代病の一因となっている可能性が指摘されています。安価な精製油を日常的に摂り続けることは、知らない間に体に炎症の種をまいているのと同じなのです。
④ オメガ6(リノール酸)の過剰摂取
サラダ油に多く含まれる「オメガ6」は必須脂肪酸ですが、現代人はすでに目標値の数倍を摂取していると言われています。オメガ6が過剰になると、体内で血液が固まりやすくなったり、炎症を促進したりする方向に働きます。「サラダ油を控える」ことは、現代の健康維持において最も優先度の高いアクションの一つです。
3. サラダ油よりおすすめの食用油ランキング(2026年最新版)

サラダ油の代わりとして、2026年現在、健康意識の高い家庭で選ばれている「身体に良い油」を、特性に合わせて厳選しました。
- こめ油(圧搾法): 加熱に強く、酸化しにくい。和食に最適。
- エキストラバージンオリーブオイル: 抗酸化物質が豊富。生食・加熱両用。
- なたね油(一番搾り・圧搾): 遺伝子組み換えでない国産原料が安心。
- 太白(たいはく)ごま油: 生のごまを搾った、無色無臭で万能な油。
- アボカドオイル: 2026年注目株。発煙点が極めて高く、超高温調理でも安全。
- 亜麻仁(あまに)油・えごま油: 現代人に不足しているオメガ3の補給に。
失敗しない!代替食用油の選び方 4つの重要ポイント
① 圧搾法(コールドプレス)で作られたものを選ぶ
「抽出法」はヘキサンという薬品を使いますが、「圧搾法」は物理的に圧力をかけて搾り取る、昔ながらの贅沢な製法です。
熱を加えない(低温圧搾)ことで、油に含まれるビタミンEやポリフェノールなどの栄養素を壊さず、薬品の残留リスクも完全に排除できます。パッケージに「圧搾」「一番搾り」と書かれたものを選びましょう。
② 「遮光ボトル(ガラス瓶)」に入ったものを選ぶ
油の最大の敵は「光」と「酸素」による酸化です。透明なプラスチックボトルは光を通しやすく、2026年現在はプラスチック容器からの溶出物(環境ホルモン)を懸念する声も増えています。「遮光性の高い色付きガラス瓶」に入った油は、鮮度と安全性が高く保たれています。
③ 遺伝子組み換え(GMO)を避ける確実な方法
2023年4月からの新制度により、「遺伝子組み換えでない」と表示できるのは「混入率0%(不検出)」のものに限定されました。しかし、前述の通り、油には表示義務がありません。
2026年の自衛策
確実に遺伝子組み換えを避けるには、「有機JASマーク(オーガニック)」が付いたもの、または「国産原料100%の圧搾油」を選ぶのが最短ルートです。
④ 「湯洗い」などの物理的精製を選び抜く
抽出した油の不純物を取り除く際、薬品を使わずにお湯で洗う手法が「湯洗い」です。薬品(苛性ソーダ等)を使った化学精製ではなく、物理的に不純物を除く工程を経た油は、素材本来のパワーが活きています。
【調理別】代替食用油のおすすめ使い分けガイド

油にはそれぞれ「耐熱温度(発煙点)」があります。適したシーンで使い分けるのが、健康と美味しさの秘訣です。
1. 揚げ物・炒め物(高温調理)
酸化しにくく、加熱しても毒性物質が出にくい油を選びます。
- こめ油: 泡立ちにくく、揚げ上がりがカラッとします。
- オリーブオイル: オレイン酸が多く、加熱に強いです。
- アボカドオイル: 超高温のステーキなどにも安心。
2. ドレッシング・仕上げ(生食)
熱に弱いが、栄養成分をそのまま摂りたい油です。
- 亜麻仁(あまに)油・えごま油: 加熱厳禁。そのままサラダや納豆に。
- EXVオリーブオイル: 風味を楽しみたい料理の仕上げに。
3. お菓子作り
バターの代わりや、素材の邪魔をしない油です。
- 太白ごま油: 無臭で焼き上がりがしっとりします。
- こめ油: 酸化臭が出にくく、軽やかな仕上がりに。
積極的に摂りたい油と避けたい油(脂肪酸バランス)

【最優先】積極的に摂りたい油:オメガ3
体内で作れない「必須脂肪酸」ですが、現代人は圧倒的に不足しています。
| 油の種類 | 成分(オメガ3) | 2026年の注目ポイント |
|---|---|---|
| アマニ・えごま油 | α-リノレン酸 | 脳の健康維持、抗炎症作用。1日小さじ1杯が目安。 |
| 青魚の油 | EPA / DHA | 血流改善。サバ缶や刺身から摂取するのが理想。 |
【適度に】バランスが重要な油:オメガ6・オメガ9
- オメガ6(リノール酸): ごま油やサラダ油に豊富。必須ですが、摂りすぎると体内の炎症を招きます。
- オメガ9(オレイン酸): オリーブオイルやこめ油に豊富。体内で作れますが、酸化に強いため加熱用のメインに最適です。
【要注意】極力避けたい油
- トランス脂肪酸: マーガリン、ショートニング。2026年現在も「見えない脂質」として市販のパンや菓子に多く含まれています。心疾患リスクを明確に高めます。
- 過剰な飽和脂肪酸: 肉の脂やパーム油。摂りすぎは中性脂肪・コレステロール増の原因に。
まとめ
2026年現在、私たちがサラダ油を避けるべき理由は以下の4つに集約されます。
- 新制度でも「表示義務がない」遺伝子組み換え原料のリスク
- 石油系溶剤(ヘキサン)による抽出と栄養素の欠落
- 製造工程の高温処理で発生するトランス脂肪酸と酸化物質
- 現代病の原因となるオメガ6の過剰摂取
完璧を目指すのは大変ですが、まずは「加熱用の油を圧搾こめ油に変える」、「生食に亜麻仁油を足す」といった小さな一歩から始めてみてください。油選びを変えることは、体質改善の最短ルートです。賢く油を選んで、健康的で美味しい毎日を過ごしていきましょう!